ここのところ2台連続で、オーバホールの依頼をいただきました。
1229 はトーンアームの根本に「シングル」「マルチ」の切替えのあるモデルです。
オートチェンジャーでレコードを連続演奏すると、丸針の時はそんなに気にならなかった、レコードが重なる事に寄って発生するヴァーチカル・トラッキング・アングルのズレ。
1枚目2枚目は前下がり、6、7枚と重なるに連れて前上がりになるのは直ぐにわかりますね。
オートチェンジャー・プレーヤーの宿命と言えば宿命なのですが、
そのオートチェンジ機構を捨てられなかったDual 社の意地?が垣間見える気がします。
ヘッドシェル側で何とかしようとしたモデルもありますが、1219 や1229 はアーム側で対応しようとしたようですね。
で、実はこの機構があるだけで、無いモデルのざっくりと1.5倍の手間がかかります。
パーツ点数が多いって事もありますが、
これらのモデルだけ調整用のネジがこの機構部分+アルファにあります。
手付かずなら、ありがたいのですが、
修理に挑戦され、本来の位置から大きく変えられている事も多いのです。
また、このトーンアームの上下動機構が壊れ易い・・・と言うか、ヒビが入ってる物が多い。
ここの修復、時には改造にまたまた頭を悩ますのです。
ヴィンテージの修理によくある
「ああ、このモデルはここが壊れ易いんだよなぁ・・・だから強化改造をしといたよ!」
良かれと思っての改造なのでしょうけど、これが良し悪し。時には百害あって一利なし。
ヴィンテージの修理は難しいです。
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